【EC-CUBE 4】オリジナルテーブルに新規データ(レコード)を追加する方法

この記事では、データベースに新規追加したテーブルに、Web上からデータ(レコード)を登録する方法を解説しています。
『dtb_maker』テーブル作成後(詳細は こちら)の手順となります。

開発前にデバッグモードの設定をお薦めします

デバッグモードを設定しておくと、エラーが起きたときに詳細情報が表示されるようになります。
エラー箇所を探しやすくなるので、開発前に設定しておくのをオススメします。
デバッグモードの設定方法については 以下記事 で解説しています。

カスタマイズ後は、デバッグモードの解除を忘れないように。

【動作環境】
EC CUBEのバージョン:4.2.1
サーバー:Xserver

目次

【実装後の状態】メーカー情報登録ページを作成する

メーカー名とメーカーコードを入力し、新規保存できるフォームを埋め込んだページを作成します。

レコード登録前の画面
『ドメイン/maker_register』というメーカー情報登録ページを新規作成

『Register』ボタンをクリックすると、入力した内容でデータが新規に登録されます。

例として、

  • メーカー名:New Company
  • メーカーコード:NC

を入力して登録してみます。

レコード登録後の画面
登録後は「完了しました!」というメッセージを表示

Webページから新規登録後にデータベースを確認すると、新しいメーカー情報が追加されています。

新規レコード登録後のテーブル
『dtb_maker』テーブルに新規レコードが追加されています。

メーカー情報登録ページの実装手順

  1. 新規データ(レコード)を登録するためのページを作成
  2. Controllerを作成
  3. Twigテンプレートを修正

『dtb_maker』テーブル作成後の手順です。

STEP

新規データ(レコード)を登録するためのページを作成する

まずは、管理画面から新規にページを作成します。

新規ページはボタンクリックで簡単に作成できますが、あとでControllerを修正する必要があり、Controllerも合わせて用意しなければなりません。

具体的には以下記事で解説していますので、本記事では省きます。

STEP

Controllerを作成

以下コードを記述したControllerファイルを「app/Customize/Controller」にアップします。

<?php

namespace Customize\Controller;

use Symfony\Component\HttpFoundation\Request;
use Symfony\Component\Routing\Annotation\Route;
use Sensio\Bundle\FrameworkExtraBundle\Configuration\Template;
use Eccube\Controller\AbstractController;
use Customize\Entity\Maker;
use Symfony\Component\Form\Extension\Core\Type\TextType;
use Symfony\Component\Form\Extension\Core\Type\SubmitType;

class MakerRegisterController extends AbstractController
{
  /**
   * @Route("/maker_register", name="maker_register")
   * @Template("maker_register.twig")
   */
  public function create(Request $request)
  {
    $maker = new Maker();
    $form = $this->createFormBuilder($maker)
      ->add('name', TextType::class, array('label' => 'メーカー名'))
      ->add('code', TextType::class, array('label' => 'メーカーコード'))
      ->add('save', SubmitType::class, array('label' => 'Register'))
      ->getForm();

    if ($request->getMethod() == 'POST') {
      $form->handleRequest($request);
      $maker = $form->getData();
      $manager = $this->getDoctrine()->getManager();
      $manager->persist($maker);
      $manager->flush();
      return [
        'message' => '登録完了しました!',
        'form' => $form->createView(),
      ];
    } else {
      return [
        'message' => 'メーカー情報を新規登録します。',
        'form' => $form->createView(),
      ];
    }

  }
}
フォームの作成
use Customize\Entity\Maker;
use Symfony\Component\Form\Extension\Core\Type\TextType;
use Symfony\Component\Form\Extension\Core\Type\SubmitType;

まず、新規データを追加したいEntityを宣言します。
今回は、こちらの記事で用意した「Maker.php」を使用します。

また、使いたいフォームのタイプもここで宣言します。
今回用意したTextTypeとSubmitTypeの他、EmailTypeやIntegerTypeなど多数用意されているので、フォームの種類に応じて追加・修正してください。


$maker = new Maker();
$form = $this->createFormBuilder($maker)
  ->add('name', TextType::class, array('label' => 'メーカー名'))
  ->add('code', TextType::class, array('label' => 'メーカーコード'))
  ->add('save', SubmitType::class, array('label' => 'Register'))
  ->getForm();

こちらの記述でフォームを作成します。
addメソッドの第一引数はテーブルの項目と一致するようにし、第二引数にフォームタイプを、第三引数にラベル名を配列で指定します。登録したい項目の数だけ「->」でaddメソッドを繋ぎます。


なお、フォーム生成箇所はFormTypeと呼ばれる別ファイルに切り分けることもできます。EC-CUBEではContactTypeやOrderTypeなどがデフォルトで多数実装されています。詳しくは こちらの記事 をご覧ください。

またテキストだけでなく、ドロップダウンリスト(プルダウン)や日付などの入力フォームも実装できます。詳しくは以下記事をご覧ください。

データ(レコード)の追加
if ($request->getMethod() == 'POST')

POST送信時(フォーム送信時)、データ(レコード)を追加する処理をこちらに記載します。


$form->handleRequest($request);
$maker = $form->getData();

フォームから受け取ったデータを取り扱うときの決まり文句。
まずhandleRequest($request)で、送信されたフォーム情報を取り扱えるようにします。続いて、getData()で送信されたフォームの値が$makerに格納されます。


$manager = $this->getDoctrine()->getManager();
$manager->persist($maker);
$manager->flush();

「マネージャ」というクラスを使うことで、データ(レコード)の追加や更新、削除ができます。
まずgetDoctrine()->getManager()でマネージャを取得し、persist()メソッドで引数に指定したエンティティを保存します。最後にflush()メソッドで、persistしたエンティティをデータベースに反映させます。

STEP

Twigテンプレートを修正

Controllerから渡された「message」と「form」を表示するだけのシンプルなテンプレートを作成します。
Controllerから渡された情報をTwigで表示する方法については こちらの記事 にて。

{% extends 'default_frame.twig' %}

{% block main %}

<h1>{{ message }}</h1>
{{ form_start(form) }}
{{ form_widget(form) }}
{{ form_end(form) }}

{% endblock %}
フォームの表示
{{ form_start(form) }}

<form>タグ生成に相当するもので、最初に記述します。


{{ form_widget(form) }}

引数のformに組み込まれている、<input>タグ関係がすべて書き出されます。


{{ form_end(form) }}

</form>タグ生成に相当するもので、最後に記述します。

STEP

キャッシュを削除して完成

ここまでで準備完了です。
管理画面からキャッシュを削除して、ページにアクセスしてみましょう。

キャッシュ管理からキャッシュを削除できます。

冒頭でお見せしたような登録ページが表示され、ボタンクリックでデータが保存されればOKです!

レコード登録前の画面
メーカー情報の登録画面
STEP

【発展】管理ユーザーのみアクセスできるようする or 管理画面にメーカー管理メニューを実装する

本記事で作成したページは、URLさえ知っていれば誰でもアクセス可能で、追加も自由にできてしまいます。

以下記事で、管理画面にログインした場合のみアクセスできるよう制限をかける方法を紹介しています。本記事と合わせての実装がお薦めです。

ただ、アクセス制限を設けるのであれば管理画面から操作できた方が便利です。
カスタマイズの難易度は上がりますが、以下のように管理画面への実装する方法も紹介しています。

メーカー管理メニューの新規登録画面
「dtb_maker」に保存されているメーカーを一覧表示。
また、新しいメーカーを追加するためのフォームを設置。
メーカー管理メニューの保存完了画面
フォームを入力して「新規作成」をクリックすると、新しいメーカーが登録されて一覧も更新される。
編集ボタンと削除ボタンを実装したときの画面
一覧の右端に編集ボタンと削除ボタンを設置。
編集ボタンをクリックしたときの画面
編集をクリックすると、メーカー名とコードを変更するフォームが表示される。
削除ボタンをクリックしたときの画面
削除をクリックすると、削除のためのモーダルウィンドウが表示される。

まとめ

以上、Webページからデータベースに新規データ(レコード)を追加する方法を紹介しました。

様々なクラスやメソッドが出てきて混乱しそうですが、形が決まっている部分も多く、レコードの更新や削除にも応用できます。ぜひ使いこなしてみてください!

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