画像を選択した状態で「画像トレース」を実行し、パス・コーナー・ノイズを調整してから「拡張」をクリックすると、アウトライン(パス)が作成されます。文字だけをアウトライン化する場合は「書式」→「アウトラインを作成」です。
- 写真のように複雑な画像や、低画質(72dpi程度)のデータは、画像トレースがうまく機能しません。細部まで100%正確な再現はできない前提の作業です。
- AIやEPSの元データが手元にある場合は、トレースせずそちらを使うのがもっとも正確です。
文字や画像データをアウトライン化するには?
本記事では、ADOBE社のIllustrator(イラストレータ)を使用したアウトライン化の方法について解説します。
- 「アウトラインってそもそも何?」
- 「なんでアウトライン化が必要なの?」
といった背景部分は前編の方にまとめています。よろしければそちらもご覧ください。
あわせて読みたい
「アウトライン化」とは? 入稿データに求められるイラレ技術アウトラインの確認方法
アウトライン化する前に、今のアウトラインがどうなっているかを確認しておきましょう。
以下の通りIllustratorの表示方法を変更するだけで簡単に確認できます。
アウトラインがない画像データとは?
ざっくり言うと、拡張子で見分けられます。PCにIllustratorがない場合も、まず画像の拡張子を確認してみてください。
| 拡張子 | アウトライン | ひとこと |
|---|---|---|
| AI | ある | Illustratorの標準形式。入稿でもっとも一般的 |
| ある場合が多い | Illustratorから書き出したPDFなら中身はベクター。近年は入稿形式として指定されることも多い | |
| SVG | ある | Web向けのベクター形式。Illustratorで開ける |
| EPS | ある | 古くからある形式。現在はレガシー扱いで、AI / PDF での入稿を推奨する印刷会社が増えている |
| JPG / PNG / GIF | ない | 写真やスクリーンショットなど、普段よく使う形式 |
| ワード / エクセル / パワポ | ない | 貼り付けた画像も同様 |
※PDFは「Illustratorで作ったベクターPDF」と「紙をスキャンしただけの画像PDF」で中身がまったく違います。後者にアウトラインはありません。
Illustratorでの確認手順
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STEP1アウトラインを確認したい画像をIllustratorで開く

Illustratorで画像を開くには?
以下のどちらかを試してみてください。- 画像を「右クリック」→「プログラムから開く」or「アプリケーションで開く」→「Illustrator」をクリック
- Illustratorを開いた最初の画面で、【Ctrl】or【⌘】+【O】→ 確認したい画像を選択
-
STEP2上方の「表示」タブを開き、「アウトライン」を選択

いちいち選択するのが面倒な方は、ショートカットキー:【Ctrl】or【⌘】+【Y】でもOKです。
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STEP3アウトラインがあれば線が表示される
アウトラインがあればアウトライン(線)が表示され、なければ何も表示されません。
アウトラインがあればアウトライン(線)が表示される
アウトライン化を始める前に、元データがないか確認
名入れ業者からアウトライン化を求められたけど、手元にあるのはJPGやPNG、もしくはPowerPointに貼った画像など、アウトラインのないデータしか持っていない…
そんなときにまず確認したいのが、デザインの元データはないか?です。
特に会社ロゴを入れる場合などは、ロゴのデザインをIllustratorで作成していることが多く、その場合はAIやEPSといった形式の画像データがあるはずです。
これらの画像形式であれば基本的にアウトラインが残っているはずなので、社内関係者(広報や総務など)に確認してみましょう。
尚、JPGやPNGでも本記事の方法を使えばアウトライン化は可能です。
が、どんなに高画質の画像でも、細かい部分まで再現することはできません。
印刷・納品後に、「あれ、ロゴの形が微妙に違う」とならないよう、Illustratorで作られた元データがないか確認しておきましょう。
ロゴには形の他、色や各パーツの配置にも細かい規定を設けている場合があります。
あとで社内関係者からつっこまれないためにも、事前に広報や総務などに確認してから入稿するのがオススメです。
アウトライン化の手順
Illustratorを使ってアウトライン化する方法を解説します。
JPGやPNGなどのアウトラインのない画像でも、高画質でシンプルなデザインであれば簡単にアウトライン化ができますので、参考にしてみてください。
やることは手元のデータによって変わります。まず下の表で、自分がどれをやればいいか確認してください。
| 手元のデータ | やること |
|---|---|
| AI / EPS / PDF / SVG で、文字が入っている | 文字のアウトライン化(かんたん・数秒) |
| AI / EPS / PDF / SVG で、文字は入っていない | すでにアウトラインがある。確認だけしてそのまま入稿 |
| JPG / PNG / GIF などの画像 | 画像のアウトライン化(画像トレース) |
| ワード / エクセル / パワポ | 元のデザインデータを探す。無ければ画像として書き出して画像のアウトライン化 |
作業の前に、必ず別名で保存しておきましょう
アウトライン化は元に戻せない操作です。文字をアウトライン化すると文言もフォントも変更できなくなり、画像トレースを「拡張」すると元の画像には戻せません。
作業直後なら【Ctrl】or【⌘】+【Z】で取り消せますが、保存して閉じてしまうと復旧できません。
「ロゴ_アウトライン化前.ai」のように、作業前のファイルを別名で残しておくのが確実です。
文字のアウトライン化
多くの名入れ業者から求められるのが、文字のアウトライン化です。
文字がアウトライン化されていないと、名入れ業者のPCでデザインデータを開いたときに文字のフォントが変わってしまったり、文字化けを起こしたりすることがあります。
Illustratorさえあれば、文字のアウトライン化は簡単に対応できます。
正確なデザインを伝えるためにも、以下の手順でアウトライン化をしてから入稿するようにしましょう。
文字のアウトライン化が必要なデータは?
文字情報がある(文言やフォント、文字サイズなどを変更できる状態)データに限ります。
AIやEPS、PSDなど。PowerPointなどのOfficeソフトで作成したデータも文字情報が含まれる場合があります。
一方、JPGやPNG、GIFなどは文字も画像として認識され、文字情報は保持されません。
これらのデータをアウトライン化する場合は画像のアウトライン化へ進んでください。
IllustratorがPCにないなど、自分で対応できない場合はどうすれば?
使われているフォントの種類(メイリオやゴシックなど)を名入れ業者に伝えておき、業者側で対応してもらえないか相談する手もあります。
ただ有料フォントなど特殊な場合、業者のPCにフォントがない場合もあります。
こうなると基本的に対応できませんが、業者によっては後述の画像のアウトライン化にしたがって対応できる場合もあります。(ただし、高画質の画像データが必要です。)
尚、Acrobat DCなど別ソフトで対応できる方法もあるようです。
文字がアウトライン化されている状態・されていない状態
アウトライン化されている文字
文字情報がない状態 = 一つの「図形」として認識されている状態。
文字ではなく図形として保持されているので、あとで文言やフォントなどを修正することはできません。
一方、文字の形を自由に変えられるというメリットもあります。

アウトライン化されていない文字
文字情報がある状態。
具体的には、あとで文言を修正したり、フォントやサイズ、色などを変えたりできる状態。
「テキストボックスで文字を挿入しただけの状態」といえばわかりやすいかも。
通常は、あとから修正可能なこちらの方が便利。あえてアウトライン化する意味はあまりありません。
アウトライン化の手順
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STEP1Illustratorでデータを開き、アウトライン化したい文字を選択

Illustratorでデータを開くには?
以下のどちらかを試してみてください。- 画像を「右クリック」→「プログラムから開く」or「アプリケーションで開く」→「Illustrator」をクリック
- Illustratorを開いた最初の画面で、【Ctrl】or【⌘】+【O】→ 確認したい画像を選択
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STEP2上方の「書式」タブを開き、「アウトラインを作成」を選択

ショートカットキーは 【Shift】+【Ctrl】or【⌘】+【O】(オー)です。文字数が多いときはこちらが速いです。
クイック操作に「アウトラインを作成」が表示されていることも。※Illustratorのバージョンによります。
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STEP3文字にアンカーポイントが表示される

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STEP4アウトラインを表示してみると、ちゃんと線が表示される

アウトラインの表示方法はこちら
画像のアウトライン化
JPGやPNGなど、画像をアウトライン化する方法は主に2つあります。
- 1画像トレースを使う
- 2自分でパス(アウトライン)を描く
基本的には「1|画像トレースを使う」が簡便な方法ですが、デザインの形状が複雑で画質が悪かったり、色数が多い場合にはうまくいかないことも。
その場合、より高画質な画像を使うか、かなり面倒ですが自分でアウトラインを描くこともできます。
細部まで100%正確なアウトライン化は基本的にできません。
AIやEPSで作られた元データがなく、細かい部分にはこだわらない場合の対応です。
順に、具体的な手順を解説します。
画像トレースを使う
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STEP1Illustratorでアウトライン化したい画像を開き、画像を選択している状態で「画像トレース」をクリック

ボタンが見当たらないときは、メニューから。
画像を選択した状態で 「オブジェクト」→「画像トレース」→「作成」 でも同じことができます。Illustratorのバージョンやワークスペースの設定でボタンの位置は変わるので、迷ったらメニューを使うのが確実です。実行すると、トレース結果のプレビューが表示されます。
(Illustratorのデフォルト設定によりますが、STEP2の画像のように白黒で表示されることも)Illustratorで画像を開くには?
以下のどちらかを試してみてください。- 画像を「右クリック」→「プログラムから開く」or「アプリケーションで開く」→「Illustrator」をクリック
- Illustratorを開いた最初の画面で、【Ctrl】or【⌘】+【O】→ 確認したい画像を選択
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STEP2画像トレースの詳細画面を表示
プリセット横のアイコンをクリックすると、画像トレースの詳細設定ができる画面が表示されます。

こちらもアイコンが見当たらないときは、メニューの「ウィンドウ」→「画像トレース」で同じパネルを開けます。
しきい値について
「しきい値」は、画像をトレースする際の「明暗」を判定する基準です。
- 「しきい値」が高い:画像のより多くの部分が「黒」として解釈される → トレースされるアウトラインが太くなる
- 「しきい値」が低い:画像のより多くの部分が「白」として解釈される → トレースされるアウトラインが細くなる
適切なしきい値を設定することで、トレース画像を自分の求めるスタイルに変換できます。
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STEP3詳細画面で色や輪郭などを調整

色を付ける場合はカラーモード、輪郭を修正する場合は「パス」や「コーナー」、「ノイズ」を変更し、自然な形に整える。
設定項目 効果 パス トレースされるパス(線)の精度をコントロールできる。値が高いほど元の画像に忠実なトレースが行われる。同時に複雑なパスになる。 コーナー トレースされるパスのコーナー(角)の数をコントロールできる。値が高いほどより多くの角が生成され、元の画像に忠実なトレースが行われる。同時に複雑な形状が増える。 ノイズ 細かな部分をどの程度トレースから除外するかコントロールできる。値が大きいほど、細かな部分はトレースの対象から除外され、シンプルなトレース結果が得られる。値が小さいと、細かな部分までトレースされ、複雑な結果となる。 ロゴをトレースするなら「ホワイトを無視」にチェックを
詳細設定の下のほうにある「ホワイトを無視」にチェックを入れると、白い部分をパスとして拾わなくなります。
白背景のロゴをそのままトレースすると、ロゴの後ろに白い四角のパスが一緒に作られてしまい、グッズに乗せたときに背景の白が残ってしまうことがあります。名入れ用のロゴでは、ほぼ必ずチェックを入れておくと安全です。
後述しますが、低画質な画像ではトレースがうまくいきません。
入稿時に高画質な画像データを求められる理由の一つはここにあります。 -
STEP4調整後、「拡張」をクリック
「拡張」=「トレース結果を決定」という意味です。
クリックすると、画像に青い輪郭線とアンカーポイント(青い点)が生成されます。
これでアウトラインができました!「拡張」クリック前
トレース詳細修正後、「拡張」クリック前 「拡張」クリック後
「拡張」クリック後 -
STEP5アウトラインができているか確認

アウトラインの表示方法はこちら
手順を纏めたショート動画も作成しました!(白黒画像にアウトラインをかける方法)
画像が低画質の場合、画像トレースはうまく機能しません
試しに72dpiの画像データでトレースしてみました。
なんとなく輪郭はとれているものの、一部ぎこちない輪郭になっているのがわかります。
入稿データには350dpi以上の画質を求められるのは、業者でアウトライン化する場合にこのような不具合が発生してしまうからなのです。
解像度の基礎を確認したうえで、具体的な画像データの考え方は以下の記事を参考にしてください。
自分でパス(アウトライン)を描く
画像トレースがうまくいかない場合、最終手段として自分でパス(アウトライン)を描くことになります。
画像によって手順は変わるため、具体的な方法は省きますが、楕円形ツールや長方形ツール、ペンツールなどを駆使して描くことになります。複雑なロゴだと、Illustratorに慣れていたとしてもかなり大変な作業です。
また作業者の感覚に頼って描くことにもなるため、大まかな輪郭は表現できても細部はざっくりした形になってしまいます。(自分でパスを描く=画像トレースできないほど粗いデータのため)
アウトライン化したデータが依頼者のイメージと異なってしまいトラブルになることも。
これらの理由から、アウトライン化されていない低画質なデータは入稿に適さないのです。
パス(アウトライン)を描くのは最終手段!
手間とトラブル回避のため、入稿にはなるべく高画質(350dpi以上)なデータを送るようにしましょう。
まとめ
以上、本記事ではIllustratorを使ったアウトライン化の手順について解説しました。
簡単にまとめると以下の通りです。
- 1入稿データにアウトラインがあるか確認(詳細はこちら)
- 2入稿データに文字情報が含まれているか確認(詳細はこちら)。含まれている場合、文字のアウトライン化
- 3文字以外の画像データは「画像トレース」で、それが難しい場合は「自分でパスを描く」(詳細はこちら)
- 4「画像トレース」できるような高画質データを用意しておくのが基本
- アウトライン化は元に戻せない操作です。作業前に、必ず別名でファイルを残しておきましょう。
これから入稿をお考えの方や、入稿データのアウトライン化をしたい方の参考になれば嬉しいです。
尚、【前編】ではアウトライン化の目的などについてまとめていますので、よろしければこちらもご覧ください。
あわせて読みたい
「アウトライン化」とは? 入稿データに求められるイラレ技術










