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グラウンディング

Grounding
ai data beginner
生成AIの回答を、検索結果や渡した資料など確認できる情報源につなぐこと。
グラウンディング (Grounding)

概要(サマリー)

グラウンディングとは、LLMの回答を、確認できる情報源へつなぐことである。Google Cloudの説明では、出力を検証可能な情報へ接続し、事実ではない内容を作る可能性を下げる能力、とされている。

資料の持ち込みを禁止した試験を、指定した資料を見ながら答える試験へ変えるイメージである。情報源は、Web検索の結果、地図、自社の文書、既存の検索APIなど、製品によって違う。RAGは、そのつなぎ方の一つである。

つなぎ方を入れても、モデルが資料を読み違えることは残る。出典が付くので、人が元の箇所を開けるようになる、という点が実用上の価値である。

詳細解説

何とつなぐのか

モデル単体の回答は、学習した時点の知識と、その場のプロンプトから作られる。学習にない社内規程や、昨日更新された料金は、渡さなければ材料にならない。知らないときでも、それらしい文を作ることがある。これがハルシネーションである。

グラウンディングは、回答の直前に外部の材料を渡し、可能ならその材料へのリンクも返す。Googleの一覧には、Google検索、Googleマップ、自社文書のRAG、外部の検索APIなどが並ぶ。どれも「モデルの記憶だけに頼らせない」という役割は同じで、材料の出所が違う。

たとえばGemini APIでGoogle検索のツールを有効にすると、モデルが必要に応じて検索し、回答のどの部分がどのURLにもとづくかを示す引用情報を返す。

材料が検索結果なら、世界の公開情報へ寄る。材料が社内文書なら、その文書の範囲へ寄る。検索をつないだから社内規程に答えられる、というわけではない。

RAGとの関係

RAGは、質問に関係する断片を検索し、その断片をプロンプトへ添えてから生成する仕組みである。Googleは、文書やサイトのデータを材料にするグラウンディングの方法としてRAGを挙げている。

したがって、RAGはグラウンディングの一種である。グラウンディングのすべてがRAGではない。検索エンジンの結果を渡す方式は、自前のエンベディングやベクトルデータベースを持たなくても成立する。

逆に、断片を検索して渡しても、回答に出典を付けない実装がある。検索はしていても、利用者が元の文を確認できない。グラウンディングをうたうなら、材料を渡すことと、どの材料を使ったかを残すことをセットで考える。

減っても、ゼロにはならない

公式の説明は、作り話を減らす、材料へつなぐ、出典で監査できるようにする、である。消えるとは書かれていない。

残る失敗には、次のようなものがある。

  • 渡した文の否定を読み落とし、「できる」と「できない」を逆にする
  • 2つの断片の数字を、一つの事実のように混ぜる
  • 材料にない補足を、出典があるように書く
  • 検索結果の古いページを、現行の規定として使う

出典リンクは、この失敗を人が見つけるための手がかりである。リンクを見ずに、出典があるという事実だけで正しいと判断しない。

ファインチューニングとの違い

ファインチューニングは、例を使ってモデルの重みを更新する。更新した知識は、そのモデルの応答の癖として残る。どの文を根拠にしたかは、回答のたびに戻りにくい。

グラウンディングは、応答のたびに材料を取りに行く。規程を直したときは、モデルを再学習するのではなく、検索される文書を差し替える。材料を外せば、その知識は次の回答から外れる。

社内の数字のように変わる情報は、グラウンディング向きである。口調や出力の型のように、毎回の材料ではなく振る舞いを変えたいものは、プロンプトやファインチューニングの担当である。

材料が悪いと、回答も悪くなる

モデルは、渡された材料を優先しやすい。古いマニュアル、下書き、権限のない人が書いたメモが検索に入っていると、それを根拠に正しい顔で答える。

登録する文書、検索に出してよい範囲、更新日の扱いを先に決める。回答には、ファイル名やURLと、その箇所の更新日を添える。材料が見つからない質問には、見つけたふりをさせず、「資料にない」と返す指示を別途書く。

AIコーディングとの関係

「この関数はなぜ失敗しますか」とリポジトリ全体を想像させず、対象ファイルとエラーログだけを渡すのは、小さなグラウンディングである。根拠をその範囲に限ると、存在しない関数を引用する回答が減る。

AIに修正させるときは、参照したファイルパスと行を答えに含めさせる。パスが実在するかは、適用前にこちらで開く。モデルが書いたパスは、材料ではなく、材料があったという主張であることがある。

検索つきのチャットは、公開Webの情報でコード例を補う。社内の非公開ライブラリの仕様は、検索結果には出てこない。公開例のコードを、社内の関数名へ混ぜて提案することがある。使う材料の種類を、依頼文に書く。

よくある勘違い

グラウンディングすれば作り話はなくなる?

減る仕組みであり、検出して破棄する保証ではない。資料の読み違えと、資料にない補足は残る。

RAGと同じ名前?

RAGは、自前の文書を検索して渡すグラウンディングの一つである。検索エンジンや地図とつなぐ方式は、RAGを自前で組んでいなくてもグラウンディングと呼ばれる。

出典が付いていれば正しい?

出典は確認用のリンクである。リンク先の文と、回答の文が一致しているかを見ないと、正しさは分からない。

ファインチューニングの代わりに一度やれば終わり?

材料は応答のたびに取りに行く。文書を更新してもモデルの再学習は不要なことが多いが、検索される側の文書が古いままなら、回答も古いままである。

まとめ

  • グラウンディングは、生成AIの回答を確認できる情報源へつなぐことである
  • 検索、地図、社内文書のRAGなど、材料の出所は方式によって違う
  • 作り話を減らし、出典を残すことが目的で、ゼロにはならない
  • ファインチューニングと違い、知識はモデルの中ではなく、応答のたびに取りに行く
  • 材料の新しさと範囲が悪いと、出典つきの誤答になる

情報ソース

より詳しくAIに聞いてみよう

  • グラウンディングを、指定資料だけの試験のたとえで説明してください。
  • RAGと、Web検索によるグラウンディングの違いを整理してください。
  • 出典リンクがあっても回答が間違えるパターンを3つ挙げてください。
  • グラウンディングとファインチューニングを、規程の改定が起きた場合で比較してください。
  • AIコーディングで、参照してよいファイルを限って修正案を出させる指示文を書いてください。