NoSQL
NoSQL
概要(サマリー)
NoSQL(ノーエスキューエル)は、従来のSQLを使うリレーショナルデータベースとは異なる考え方で、柔軟な形式のデータを扱うデータベースの総称である。
代表的な形式には、JSONのようなドキュメントを保存する「ドキュメント型」、キーと値の組み合わせで保存する「キーバリュー型」、大量データの分散処理に向く「ワイドカラム型」、関係性を表す「グラフ型」などがある。
NoSQLは「SQLをまったく使わない」という意味で説明されることもあるが、現在では「Not Only SQL」、つまりSQLだけに限らないデータベースという意味で捉える方が分かりやすい。大量データ、柔軟なデータ構造、スケールしやすさが必要な場面で使われることが多い。
詳細解説
NoSQLとは何か
リレーショナルデータベースは、テーブル、行、列を使ってデータを管理する。顧客テーブル、注文テーブル、商品テーブルのようにデータを整理し、必要に応じてテーブル同士を関連付けて扱う。
一方、NoSQLは必ずしも表形式にこだわらない。アプリの画面や機能に合わせて、データをドキュメント、キーと値、グラフなどの形で保存する。
たとえば、ブログ記事を保存する場合、NoSQLのドキュメント型データベースでは次のような形で1件の記事をまとめて保存できる。
ドキュメント型データの例
{
"title": "NoSQLの基本",
"author": "Noveblo",
"tags": ["database", "web"],
"published": true
}
このように、アプリで扱うデータの形に近いまま保存できるのが、NoSQLの分かりやすい特徴である。
主なデータモデル
NoSQLにはいくつかの代表的なデータモデルがある。
- ドキュメント型: JSONに近い形式でデータを保存する。MongoDBやFirestoreが代表例である
- キーバリュー型: キーと値の組み合わせで保存する。キャッシュやセッション保存に使われやすい
- ワイドカラム型: 大量の行と列を分散して扱う。大規模なログや分析用途に使われる
- グラフ型: データ同士のつながりを表現する。SNSの関係性や推薦機能などに使われる
同じNoSQLでも、得意なことはかなり違う。NoSQLという名前だけで選ぶのではなく、アプリでどのような読み書きをしたいのかに合わせて選ぶ必要がある。
RDBとNoSQLの違い
RDBとNoSQLは、どちらが上位という関係ではない。得意な設計が違う。
RDBは、データの整合性を保ちやすく、複数のテーブルを関連付けて正確に扱うことが得意である。会計、決済、在庫管理など、データの矛盾を避けたい場面でよく使われる。
NoSQLは、柔軟なデータ構造、大量データの分散、素早い読み書きに向くことが多い。チャット、通知、ログ、ユーザーごとの設定、リアルタイム更新などで使われることがある。
ただし、NoSQLでも製品によってはトランザクションや強い整合性を提供するものがある。逆に、RDBでも設計次第で高い拡張性を実現できる。単純に「RDBは古い」「NoSQLは速い」と決めつけないことが大切である。
スキーマレスでも設計は必要
NoSQLは「スキーマレス」と説明されることがある。これは、RDBのように最初から厳密なテーブル構造を定義しなくても、データを保存し始められるという意味である。
しかし、設計が不要という意味ではない。
ドキュメント型データベースでは、どの単位でデータをまとめるか、どこまでネストするか、別のコレクションに分けるか、検索しやすい形にするかを考える必要がある。
NoSQLでは、あとからテーブルを結合して柔軟に取り出すよりも、「どの画面で、どのデータを、どの順番で読むか」を先に考えて保存形式を決めることが多い。この考え方を、クエリに合わせた設計、またはクエリファーストな設計と呼ぶことがある。
代表的なサービスや製品
NoSQLの代表例には、次のようなものがある。
- MongoDB: ドキュメント型データベースとして有名。JSONに近い形でデータを保存できる
- Firestore: Firebaseで提供されるドキュメント型データベース。リアルタイム同期やモバイルアプリとの連携で使われる
- Redis: キーバリュー型として使われることが多く、キャッシュや一時データの保存でよく使われる
- Cassandra: ワイドカラム型の代表例で、大規模な分散データ処理に使われる
- Neo4j: グラフ型データベースとして知られ、関係性の分析に使われる
名前だけを覚えるよりも、「何を保存したいのか」「どのように読むのか」「どのくらいの規模で使うのか」を考える方が実務では重要である。
AIコーディングとの関係
AIコーディングでは、NoSQLのデータ設計をAIに相談すると役立つことがある。
たとえば、Firestoreでチャットアプリを作る場合、ユーザー、ルーム、メッセージをどのコレクションに分けるか、メッセージをルームの中に入れるか、別コレクションにするかで迷いやすい。AIにアプリの要件を伝えると、候補となるデータ構造を比較しながら提案させることができる。
AIに依頼するときは、次のように具体的に伝えるとよい。
Firestoreでチャットアプリを作ります。
ユーザー、チャットルーム、メッセージを保存します。
想定する読み取り画面と書き込み頻度を考慮して、コレクション設計を提案してください。
セキュリティルールで注意すべき点も挙げてください。
ただし、AIが提案したNoSQL設計をそのまま採用するのは危険である。読み取り回数、課金、アクセス権限、検索条件、データの削除や移行まで考えて、人間が確認する必要がある。
よくある勘違い
NoSQLはSQLを一切使わない?
名前だけを見るとそう思いやすいが、必ずしもそうではない。
NoSQLはもともと、RDB以外の柔軟なデータベース群を指す言葉として広まった。現在では「Not Only SQL」と説明されることも多く、SQLだけに限定しないデータベースと考える方が自然である。
製品によってはSQLに似た問い合わせ方法を提供するものもあるため、「NoSQL = SQL文が絶対に存在しない」と覚えると誤解につながる。
NoSQLならデータベース設計はいらない?
不要ではない。むしろ、RDBとは別の設計力が必要になる。
NoSQLでは自由に保存できる分、何も考えずにデータを追加すると、あとから必要なデータを取り出しにくくなる。検索条件、表示画面、更新頻度、アクセス権限を考えずに作ると、パフォーマンスや保守性の問題が出やすい。
NoSQLはRDBより常に速い?
常に速いわけではない。
NoSQLは特定の読み書きに強い構造を作りやすいが、複雑な集計や関連データの結合が多い処理では、RDBの方が扱いやすい場合がある。適した設計で使えば速く、適さない用途に使うと遅くなる。
NoSQLは整合性が弱くて危険?
これも一概には言えない。
NoSQLの中には、分散処理や可用性を優先するために整合性の考え方がRDBと異なるものがある。一方で、トランザクションや強い整合性を提供する製品もある。重要なのは、使うデータベースの特性を理解し、必要な整合性に合う設計を選ぶことである。
まとめ
- NoSQLは、表形式に限定されない柔軟なデータベースの総称である。
- ドキュメント型、キーバリュー型、ワイドカラム型、グラフ型など複数の種類がある。
- RDBとNoSQLは優劣ではなく、データの扱い方や要件に応じて使い分ける。
- スキーマレスでも設計は必要であり、読み取り方を考えて保存形式を決めることが重要である。
- AIコーディングでは、データ構造やセキュリティルールの案出しにAIを使えるが、最終判断は人間が行う必要がある。
情報ソース
より詳しくAIに聞いてみよう
- NoSQLとRDBの違いを、初心者向けに具体例つきで説明してください。
- ドキュメント型、キーバリュー型、ワイドカラム型、グラフ型の違いを表で整理してください。
- MongoDBとFirestoreの違いを、個人開発で使う場合の観点から比較してください。
- NoSQLでデータをネストする場合と、別コレクションに分ける場合の判断基準を教えてください。
- AIにFirestoreのデータ設計とセキュリティルールを相談するときのプロンプト例を教えてください。