駅や町中はもちろん、展示会場や企業訪問などビジネスの現場でも受け取る機会の多いノベルティ。
それらのグッズに、企業のロゴや会社名が綺麗にプリントされているのを見ることはありませんか?
「名入れ」とは、まさにこの「企業ロゴや会社名、イラストなど、好きなデザインをグッズにプリントすること」を指します。
同じモノでも、特別なデザインを施すことで途端に雰囲気が変わり、愛着も湧いてきますよね。
この記事では、特にノベルティ業界で一般的な名入れについて、名入れの意義や方法、名入れ商品の具体的な作り方について触れていきたいと思います。
名入れの意義
「名入れをすることでオリジナリティが高まり、愛着も湧きやすいというのはなんとなく分かるけど、名入れって絶対したほうが良いの? 時間もお金もかかるでしょ?」
こんな疑問にお答えすべく、まずは名入れの意義や目的から述べていきたいと思います。
ノベルティに独自性を持たせる手段
そもそもノベルティの目的は、「企業が自社や商品を宣伝し、集客率や売上をアップさせること」です。
いくらユーザーに好まれるグッズを無償で配ったとしても、それが宣伝にならず、結果集客数にも売上にも繋がらなければ意味がありません。
- ノベルティの意味や目的などについて纏めた記事は こちら
基本的に、販促品(本命の商品やサービスを売るために配布されるグッズ)の多くは無償であり、本命ではない以上あまり多くのお金はかけられません。
ノベルティメーカーの多くは少しでもグッズの単価を下げるために、一度に大量生産して纏まった発注単位を設定していることが多いです。(1カートン100個を購入単位とする、など)
するとどうなるでしょうか?
単価は下がるので採用しやすくはなりますが、いろいろな会社が類似商品を扱うようになるので、似たようなグッズが流通しやすくなります。
そうなると、ユニーク性や目新しさはどんどん下がっていってしまいます。
皆さんも、ノベルティといえばペンや付箋などの文房具、不織布製のトートバッグやタオルといったイメージをお持ちではないでしょうか?
「名入れ」は、そんなありきたりになってしまったグッズに、その会社や個人、ショップ、ブランドならではの、独自性・オリジナリティを与える手段の一つといえます。
ノベルティの販促効果をアップさせる手段
「単純接触効果」という言葉を聞いたことはありますか?
「ザイアンス効果」「ザイアンスの法則」とも言ったりするそうですが、要は同じ人やモノに触れる回数が増えるほど、その人やモノに対して良い印象を持つようになる心理のことです。
目の前に同じ商品が2つあったとして、1つは有名な日本メーカー製、もう1つはよくわからない海外メーカー製であれば、よく知っている日本メーカー製のものを選択したくなりますよね。
選挙でも、名前も知らないような人に投票するよりは、政策は知らないけど名前だけは知っている、という人に投票したくなります。
選挙シーズンになると、候補者が街中を駆け回って挨拶したり、あちこちにポスターを貼ったりします。少しでも多くの人に名前だけでも覚えてもらって、無意識の好印象を与えようとしているわけです。
名入れノベルティも同じようなことが言えます。企業のロゴや会社名がプリントされていることで、受け取ったユーザーは自然とそのプリントを目にするようになり、繰り返し使用するうちに無意識に記憶に刷り込まれ、親近感が湧いてきます。
※単純接触効果についてはこちらの記事に詳しく纏めています↓

” 無意識 ” の購買意欲が重要
認知度を上げる方法にはCMやチラシ、最近ではWeb広告なども主流になってきており、もちろんこれらも有効な手段と思います。
しかし、目で見ていかにも ” 販促 ” と思われるものは、ユーザーにとって抵抗を持ってしまうもの。
意識せず自然と視界に入ってくるものの方が受け入れやすく、「広告を見て購入した」というよりは「自分で選んで購入した」という感覚にさせやすいといえます。
ノベルティのオリジナリティを高めつつ、お客様に受け入れられやすい形で商品・サービスの宣伝ができる(より大きな販促効果を得られる)
これが、ノベルティにおける名入れの意義ということになります。
名入れの方法
名入れの方法(印刷技術)には幾つかの種類があり、商品の素材や形状、大きさ、プリントしたいデザインの色数や形、サイズなどによって、適切な方法が変わってきます。(そもそも名入れできない商品や、再現の難しいデザインもあります。)
全ての印刷方式や名入れデザインについて、詳細に述べ始めると膨大な量になってしまうので、この記事ではメジャーな印刷方式をさらっと紹介していきます。
印刷方式の一覧
印刷方式 | 主な印刷対象 | コメント |
パッド印刷 | プラスチックやステンレス素材で、表面がフラットなもの | 小さなグッズに精密なロゴを入れるならコレ! 詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓ パッド印刷とは? 名入れの印刷技術 #01 |
シルク印刷 | プラスチックやステンレス、繊維素材で、表面がフラットなもの | バッグやタオル、衣服への広い印刷ならコレ! 詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓ シルク印刷とは? 名入れの印刷技術 #02 |
回転シルク印刷 | ボトルなど円筒または円錐形状のもの | ぐるっと全体に名入れをしたいならコレ! 詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓ 回転シルク印刷とは? 名入れの印刷技術 #03 |
UVフルカラー印刷 | プラスチックなどの硬質素材で、表面がフラットなもの | 2色以上やグラデーションなどの印刷にはコレ! UVフルカラー印刷とは? 名入れの印刷技術 #04 |
レーザー加工 | アルミニウムやステンレス、木などの素材 | 素材の質感を活かした高級感のある仕上がりにはコレ! レーザー加工とは? 名入れの印刷技術 #06 |
布用フルカラー印刷 | 天然繊維素材のもの | コットン素材のフルカラー印刷ならコレ! |
箔押し・型押し | 皮革製品や卓上カレンダー、クリアファイルなど | 皮革製品への立体感のある名入れや、 金・銀に輝く光沢のある印刷ならコレ! 型押し・箔押しとは? 名入れの印刷技術 #07 |
熱転写 | 繊維素材のもの | 小ロット・フルカラー・細かいデザインの印刷ならコレ! 転写印刷とは? 名入れの印刷技術 #05 |
刺繍 | 繊維素材のもの | 立体的で生地の風合いを活かした名入れならコレ! |
かなり簡潔に書いてしまいましたが、どの方式を選べばよいのかは基本的にノベルティメーカーや販売店が考えて提案してくれますので、名入れノベルティを依頼する側はあまり気にしなくても大丈夫です。
ここで最低限押さえておきたいの以下2点。
- グッズの素材や形状、もしくはデザインの色(数)や形、サイズなどで、名入れの方法が変わる
- グッズやデザインによっては、理想通りの仕上がりにならなかったりそもそも出来なかったりするケースもある
これらを留意しておきましょう。
名入れ商品製作の具体的な手順
ノベルティへの名入れの意義と方法がざっくり分かったところで、具体的な製作手順(製作依頼~発注~納品まで)をご紹介します。
こちらも、基本的には各ノベルティメーカーや販売店が案内してくれると思うので、あまり神経質になる必要はありません。
ただ、どんなことを求められる(聞かれる)のか?や、発注から納品までのフローが事前にイメージできているとスムーズに話が進むので、その辺りを解説します。
まず、全体的な流れは以下の図の通りです。

よりざっくり言うと・・・
- デザインと商品を決める
- 業者と詳細を詰める
- 発注 → 納品
それぞれもう少し詳しく解説します。
まず、名入れしたいデザイン(ロゴや会社名など)と、名入れする商品を決めます。
デザインが先か商品が先か、決める順番はケースバイケースですが、前述の通りデザインによって名入れできる商品・名入れ方法が変わるため、ある程度デザインを決めてからの方が商品選びしやすいかと思います。
※デザインの決め方や注意点については、別途記事に纏めようと思います。
逆に、「この商品に名入れしたい!」と明確なものが既にあれば、その商品に対応できる名入れ方法という基準で(例えば、フルカラーで印刷できるのか、広範囲に印刷できるのか、など)、デザインのサイズや色、印刷位置などを決めていくことになります。
名入れするデザインと商品が具体的に決まったら、早速業者に依頼しましょう。
ここからのフローは取り扱い業者によって変わると思いますので、いつも紹介している ” 販促メッセ ” での通常フローをベースにご説明します。
- 名入れしたい商品のWebページから「見積依頼」(青色のボタン)をクリック。
- 必要事項(希望の数量や納期など)を記入に送信。
※名入れ方法なども選べますが、よく分からなければ詳細事項でその旨を明記すればOKです。 - 担当者から返事が来て、具体的なやり取りを行う。
※希望商品の在庫がないなど致命的な問題がなければ、名入れデザインのデータ提示を求められます。これは、実際に名入れを行えるデザインかどうかの確認や見積金額の算出に使われます。また、実際にデザインを名入れした際の商品イメージ(モックアップ)も作成してもらえることが多いです。
名入れノベルティ製作に慣れていない方で最も戸惑うのは、最後のデザインデータの提示でしょう。
ここも別途記事に纏めたいと思いますが、インクジェットのフルカラー印刷など例外を除き、基本的には「ADOBE / イラストレーターで作成したaiデータでアウトライン化されたもの」が工程上必要になります。
- アウトライン化が必要な理由については以下記事にて
- アウトライン化の具体的な手順(Illustratorを使います)については以下記事にて
アウトライン化とか完全データとか、よく分からなければ写真(JPEGなど)などでも構わないので送ってみましょう。
写真の画質などにもよりますが(350dpi以上を求められることが多いです)、業者が上手く加工してくれることもあります。
商品とデザインが決まり、名入れ後の商品イメージや見積、納期などに納得できれば、あとは発注して納品を待つのみです!
納期は業者や時期によりまちまちですが、販促メッセでは発注後2週間を目安にしています。ただ年末年始などの繁忙期は1ヶ月以上待つ場合もあるため、納期が決まっている方はなるべく早く依頼するようにしましょう。
まとめ
以上、名入れの意義・方法・作り方について、大雑把に纏めてみました。
今回は ” 販促用ノベルティへの名入れ ” について述べましたが、販売用のオリジナル商品や記念品、パレードやお祭りなどグループで使用する共通グッズの作成など、その使用用途は多岐に渡ります。
また今後は個人でビジネスを始める方も増えていき、よりオリジナルグッズの需要が高まると想定しています。
イベントの記念品やチーム共通のグッズを作りたい方はもちろん、個人でお店を立ち上げたい方などにも気軽にオリジナルグッズを製作できるよう、本サイトを通じて手助けになれればと思っています。
今回語れなかった部分は別記事で補填していきますので、引き続きよろしくお願いいたします!